『ロープ 戦場の生命線』
を見ました。
ここ数年ベニチオ・デル・トロがずっと気になってまして。
そんな中、昨年末にスターウォーズを見てうっかりべにたん(勝手にかわいくして呼んでる)(おいたん的な感じで)にハマってしまった折、
IMDbで存在は知ってた本作が今月公開されるよーという話をツイッターでたまたま見たので行ってきました。
単館系?はあまり行かないので座席のフラットさにちょっとアワアワしつつ…でもちゃんと字幕見えました。よかったよかった。
↓ ↓ネタバレアルヨ↓↓
あらすじとしては1995年、停戦直後のバルカン半島にて、国際援助活動家のグループが井戸に投げ込まれた死体を引き上げるために奔走するお話。
原題は『A Perfect Day』。
その原題もなるほどーと感じましたが、
邦題の『ロープ』も端的でわかりやすく、
サブタイの「生命線」はもちろん「緊張の糸」とかの意味合いも感じられました。
舞台が紛争地域でもあるので常に危険との隣り合わせで、
観客のこちらも上映中、常に緊張状態にあったのですが、
そこで暮らす人たち(主人公たちも含め)にとってはそれが日常で、
そんな中でもユーモアを持って毎日を生きているんだなぁと思うと、
兵士たちにフィーチャーされた戦争映画とはまた違ったリアルを感じられる作品でした。
紛争地域と一言で言ってもそこは誰かの暮らす町で、誰かの生まれた町なんだなぁ、と。
新人職員のソフィーは観客の感情移入担当的な役回りだったのですが、
初めて見る死体にギャーギャー騒いでいたのにいざ引き上げの際には「早く来てロミオ」と言ってみせたり、
引き上げに失敗した際には「クソデブ」と罵ったりと、
急速に現場慣れしていく姿が微笑ましく可愛らしかったです笑。
「国境なき水と衛生管理団」のリーダー、マンブルゥ(べにたん)ですが、
個人的にベニチオ・デル・トロには「例え罪を犯しても目的達成するマン」のイメージがあって(?)、
団体の名前からして今回は公正で平和的な役なのかなーちょっと意外だなーと思ってましたが、
実のところは女性問題があったりしてとても人間らしく、
団体の目的達成のためには手段を選ばないような狡猾さも感じて、
少しふくよかになったベニチオ・デル・トロのかわいらしい朗らかさと、時に見せる眼光の鋭さの緩急のバランスにドキドキゾクゾクしっぱなしでした。
あーかっこよかった!笑
この役をべにたんが演じてくれて嬉しいです。
ストーリーはシンプルながらも常に「不条理」が付きまとっていて、そんな馬鹿な…と思わされる展開が続きます。
決して明朗快活な映画ではないし、人によっては「救いがない」と感じるかも知れません。
でもだからこそ非常に現実的で、
最初から最後まで随所に散りばめられたブラックユーモアに一寸先への希望を感じます。
「不条理を笑え」という言葉の重みを実感した映画でした。